誰が見ていることになっていた?|(夜勤/10分)
本記事の趣旨
この記事では、夜間の遠慮と対応の有無の思い込みが重なり転倒が発生した事例を取り上げます。
事故の原因を表面的なもので終わらせるのではなく、
背景にある環境や仕組み、心理など多角的な視点から「なぜ起きたのか」を深堀りする構成になっています。
現場での研修や、スタッフの「気づく力」を養うための素材として、
ぜひチームで多様な仮説を出し合ってみてください。
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【事例検討】誰が見ていることになっていた?(夜勤)
■利用者プロフィール
88歳 女性 要介護度:3 施設入所中
ADL: 歩行は見守り。夜間はポータブルトイレ使用。立ち上がり時ふらつきあり。
認知機能: 軽度の認知症あり。理解力は保たれているが、夜間は不安が強くなることがある。ナースコールは理解している。
既往歴: 大腿骨骨折既往あり。
服薬情報: 睡眠導入剤(就寝前)
性格: 遠慮がちで、強く訴えることは少ない。
環境:夜勤は職員2名体制。
現在の生活リズム: 日中は穏やか。夜間は1〜2回トイレ希望あり。
■状況
午前2時頃、夜勤者Bさんは他利用者のパッド交換を終わらせ、後片付けをしていた。
Aさんの居室からコールが鳴ったがすぐに止まったため、
もう一人の夜勤者Cさんが対応したのだろうと思い、片付けを再開した。
約10分後、再びコールが鳴ったため訪室するとベッド横に座り込んでいるところを発見した。
Aさんは「待ってたけど、悪いから・・・」と話している。
✍原因を考えてみましょう
✍どのような対策が考えられるか
進行役メモ ※声かけの例
- ご本人の性格は関係しそうですか?
- 夜勤者2人の間で、情報共有はできていたでしょうか?
▼この事例の整理例
こちらの整理例はあくまでも一例であり、正解不正解を示すものではありません。
ここにない考え方も含め、どれも一つの答えになり得ます。
また、個別の状況によって適切な対応は異なります。
実際の現場では施設管理者や医師の指示に従ってください。
■表面的な原因
- コール対応の遅れにより待機が長くなった。
■背景にある原因
- コールが止まったことで対応完了と誤認してしまった。
- 夜勤者間でコール対応の役割や状況共有が不十分だった。
- コール後のフォロー(再確認)が仕組みとして定着していなかった。
- 「迷惑をかけたくない」という性格により、再コールや訴えを控えた可能性がある。
■対策
- コールが一度止まった場合でも、必ず訪室または声かけで状況確認を行うルールを明確にする。
- 夜勤者間でコール対応状況を共有できる方法(声かけ・記録・ボード等)を整備する。
- 遠慮しがちな利用者には、繰り返しコール使用を促し安心感を伝える。
見方のポイント
この事例は「コールにすぐ対応しなかったこと」だけでなく、
「コール後の状況確認の仕組み」に注目する必要があります。
コールが止まったことをもって対応済みと判断した点に、情報共有の曖昧さがあった可能性があります。
また、本人の遠慮する性格により、再度支援を求める行動が抑えられていたとも考えられます。
対策としては、個人の判断に依存せず、「コールがあった事実をどう扱うか」をルール化する視点が重要と考えられます。



